ぱんぱんに腫らした目をして
ゲネの舞台に立つわたしに、

「馬鹿だなぁ…!
君には、芝居があるじゃないか」

って東さんが言った。


あの頃は無駄に若く
大切なものをひとつ失くしたとしても
いくらでも人生のやり直しは出来たし
何より、夢があった。


今は、何もない。


もうすぐ今日も開演のベルが鳴る
ご芳名
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