初日
打ち上がったりーーーーーーーー!!!!


わたしはいつもこの場でおちおちさけは飲まん。
アシカガー!って呼ばれる場ではな。

ちょっとは(ちょいちょいだいぶ)舐めるけど、
劇場でのウラは元より、打ち上げの段取りからおさけや料理のオーダーまで究極のウラカターに徹しているからね。
千秋楽のウチアゲーが終わるまでがウラカターなんです。




そうそう今日な、
初めましてのウラカターの子にお会いしてん。
22さい。壮絶にイケメン。

最初はわたしの思い過ごしだろうと思っていたんだけど
この壮絶にイケメンなウラカタ男子が、ZUTTOわたしのことを見てるの。
だから度々目が合うの。

わたしのことがすきなのカナー、って思って
打ち上げの場で聞いてみたの。

「今日、ずっとわたしのことを見てたよね?」
「もしかしてわたしのことがすきなの?」って。

場合によっちゃそれ相応の対応もあるカナー、とか思って。




彼はぱっと赤くなって、それを否定してこう言うの。

「僕が!いつもやっていることを!」
「今回も僕がやらなければならないことを」
「全部アシカガーさんが先回りでやっているんですよ!」

「今こうしておさけひとつ頼むことさえ、全部先回りされている」
「なんでなんだろうって!」


ああ…
きみはウラカターの玄人を目指しているのかい?


「ウラカターの玄人(プロフェッショナル)はな、
セバスチャン、いわゆる小間使いのプロでなければならんのだよ。」

「今何が必要とされているかだけではなく、この先何が必要とされるかを常に先読みしながら動かねばならんのだよ。
セバスチャンとしての誇りを高く持ち、なんでもやるのだよ。」

おこがましくもアドヴァイスをした。


「アシカガーさんは女優さんだって聞きましたけども…」

その問いには
「過去のこと、それもAVのね」
と答えておいた。

彼は最後までわたしのことがすきなんだという意見には否定した。
めっちゃいやな顔まで作りながら。

うふふ。
うふふふふ。
楽日までしっかりわたしを見つめていらっしゃい?
そして死事も恋も覚えて帰りなさい?
ご芳名
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