ここ20年
16年で三度恋をした。


一度目はかんっぜんに清い片思い。
ご本人にお会いしたことさえ、お顔さえ存じないのに
その方の創る曲に心震わせ、弾けないピアノを幾度も叩いて胸を締め付けた。

二度目はその恋の全てが終わった時、人生はやり切ったと思った。
思い残すことなどなにもないよ。
御手を合わせ、ありがとうさようならと静かに思った。

三度目は、まさかもう恋をするとは思わなかった。
しかもと言うかそしてと云うか、何ともクズｗ
ただ純情を引っ掻き回されただけ
なのに気が付いたら手遅れになるくらいすきになっていて
何度も自分を否定したけど否定できなくて戸惑った。


二度目の失恋の後は
もう恋なんてしたいなんて思いもしなかった

三度目の叶わなかった思いには
ありがとうさようなら（合掌）（）なんて思わなかったけれど
やりきれなくて
合点いかなくて
さみしくて

なんだったらそのやるせなさを忘れるために
よーし前に進もう
また恋をしてやろうかと思ったけれど
誰かを好きになろうと思って人を好きになれるものじゃないんやねぇ…
そんな軽率な思いで人を傷つけるだけだ。
このやりきれなさにケジメをつけたいのに
どうしていいか解らない
未だこのさみしさを
どうやって埋めていいか解らない


このドアを開けたら
愛があるのかと思って
つい手を掛けてしまうのだよ。